U.S テレグラフ [2人プレイボードゲームレビュー:評価7.5/10]






カルペ ディエムとは

ステファン・フェルト
2〜4人用 タイル配置ゲーム

カルペ ディエム Carpe diem とは
古代ローマの詩に登場する語句。
「1日を摘め」と訳され、
今この瞬間を楽しめといった意味になるそう。
なんだか素敵な言葉ですね!

ゲームの方もフェルト作ということで、
素晴らしい作品になっています。
他のフェルト作品レビューはこちら!



今回はカルペ ディエムを紹介していきますよ!


ゲームの流れ

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セットアップ
メインボード 個人ボード
各種トークン、カードを用意。
2人プレイだと勝利点カードの枚数が変わります。

ゲームは4ラウンド
各ラウンド7手番ずつあります。


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手番でできることはタイルを獲得すること。
自身のコマがある地点から
向かい側の2つの地点いずれかを選択し、
コマを動かします。

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写真の位置だとこの2箇所ですね。
相手のコマがいてもOK。
動いた先のタイルを獲得し、
個人ボードに配置します。
2人プレイだと、それぞれの地点のタイルが2枚以下になった瞬間、その地点のタイルは取り除かれます。
ちょうど7手番ずつ行うと、メインボード上のタイルが全て無くなり、ラウンド終了です。

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獲得したタイルはメインボードに
絵柄が合うように配置します。
カルカソンヌのような感じですね。
カルカソンヌJ (Carcassonne J) ボードゲーム


個人ボードの周りには予めランダムにが組まれており、対応した建物を建てることができると勝利点が貰えます。

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ラウンドの終了時には各プレイヤーは
得点カード2枚に跨って
自身のマーカーを配置しなくてはなりません。
のカードは描かれているものを所有しているだけ、
のカードは描かれているものを払っただけ、
勝利点がもらえます。
もし、目標を達成できない場合、
該当の得点カード1枚につき4点のペナルティを失います。
1度置かれたマーカーはゲーム中、
配置されたままになります。

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建物の効果はサマリータイルに全て描かれています。
フェルト作品は言語依存がないゲームが多く、
アイコンだけでほぼ理解できるのが嬉しいです。
各建物の効果はダイジェストの中で一部紹介していきます。

それでは実際にプレイしていきましょう!



夫婦2人でプレイ

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スタートプレイヤーはマーカーと
8点を持ってスタート。
2番手以降は1点ずつ増えます。
勝利点管理がカードなのが、少し新鮮。

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最初のタイルはスコップマークがある指定の位置から置かなくてはなりません。
置いたのは市場
1枚のタイルで完成し、金貨を貰えます。
金貨は各種リソースの代わりとなるジョーカーです。

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途切れている建物は完成しないと効果を発揮できません。
を意識して置きたいところ。

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ゲームのテンポは比較的早いです。
あっという間に2箇所なくなりました。
タイルがない地点はコマ移動の際に、
バウンド移動で飛ばすことができます。

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茶色の景観が完成しました。
対応する鶏リソースを貰えます。
景観を形成するタイル数-1のリソースを貰えるので、この場合2枚だから1つですね。

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別荘は完成時に効果はありません。
個人ボードにある完成済みの別荘にある煙突の数だけ勝利点が入ります。サマリー参照。
タイル配置した箇所に旗トークンがあれば取り除いてメインボードの旗トラックを進めます。

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旗トラックはタイル獲得の手番順でなく、
ラウンド終了時に勝利点カードにマーカーを置く順番を表します。
タイル獲得手番順はラウンド毎に左隣のプレイヤーにスタートプレイヤーマーカーを渡して管理します。
同じ箇所にマーカーがある場合、上に配置してあるプレイヤーが優先です。

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リソースはサマリータイル上で管理できます。
輪切りのレンコンみたいなトークンはパン
1つ支払うとタイル獲得の際にコマを自由に移動でき、
3つ支払うと勝利点カード達成の際に1枚の条件を無視できます。
地味な見た目の割にとっても便利ですが、
金貨で代用できないので注意。
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お互いにペナルティなく勝利点獲得。
1度マーカーを配置すると、そこは封鎖されてしまいます。

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よほどでない限り、
獲得したタイルを破棄することはありません。

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職人タイルが完成しました。
メインボード下部に用意しておいた裏が濃い緑のタイルを獲得できます。

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獲得したタイルで事務官が完成。
旗トラックを進めることができます。

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あちらも続々と完成してますね。
おそらくも意識してることでしょう。

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パン焼きはサイズに関係なく、パン2つを貰います。

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これだけパン金貨があれば、
ラウンド毎の目標もなんとかなるでしょう。

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勝利点ではないものを獲得する場合もあります。
煙突3つ(完成、未完成問わず)につき、
金貨1つもしくは旗トラック1前進など。

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3ラウンド目開始。
折り返し地点ですね。
建物の完成を意識していきます。

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および煙突からの勝利点を期待して、
巨大別荘の建設に着手します。

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対してあちらは堅実にに沿って建てている様子。

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商人
金貨とパン以外のリソースを全て払い、
払った数+1の金貨を貰えます。
ジョーカーが多くなって返ってくるので便利。

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さらに噴水
噴水カードの山から2枚引いて、
1枚をキープ、もう1枚を山の底に返します。
キープしたカードは自分だけが表を確認して、
伏せておきます。
ゲーム終了時に条件を達成していれば勝利点を得ます。
完成している茶色の景観1つ毎に2点。

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高得点の目標を2ラウンド続けて達成してきました。
封鎖されてしまったので、わたしはこの目標をもう達成することはできません。

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最終ラウンドのみ、裏面が濃い緑のタイルを補充します。
建物が完成するタイルが多いのが特徴。

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さあ、果たしてどんな結果になるでしょう。

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巨大別荘完成!
煙突点がかなり期待できそう。

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あちらの狙いの目標およびタイルは何なのでしょう。

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こんなに資源が!
余ったら2つで1点になりますが、
できれば効率の良い目標で勝利点に変換したいところ。

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お互い残り1枚ずつ取ってゲーム終了!

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わたしの個人ボード。
煙突数は多いですが、をあまり達成できていない。笑
噴水カードも先程の1枚のみで合計89点。

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対して妻の個人ボード。なんとを全達成した様子。
さらに噴水カードをいつの間にか3枚も!

102点

いやー、負けてしまいました(^^;)
所要時間40分ほど



感想

配色の美しいアートワークに、悩ましいけど苦しすぎないプレイ感。
勝利点要素に対する緩和策(パン)もあり、時間も程良い中量級。
しっかりとボードゲームを遊んだ感覚を味わえる優等生的作品です。

以前にレビューしたブルゴーニュプラストスカーナの城など、
同作者のタイル配置ゲームの新たな選択肢と言えますね。

2人プレイが最ものびのびとゲームを楽しめます。
タイル獲得のルール上、基本的に最低でも6枚の内から1枚を選択できるからです。
各スペースは2枚以下になるとタイル除外、2カ所に向かってコマを動かせるため。
相手の獲得したいタイルをカットしたとしても、
「じゃあ、他のでいいや」
となる状況がほとんどだと言えます。
人数が増えるほど選択肢が少なくなるため、苦しさが増してきそうです。
インタラクションバリバリのプレイを求める方には物足りないかもしれませんが、
夫婦やカップルなどでのんびりと楽しむにはこのくらいが最適でしょう。

地味に感動したのが、使用するカードの裏面に人数による使用枚数がアイコンで表記されていること。
いちいちマニュアルを見返さなくても、スムーズに確認することができます。
言語依存のない作品ですので、実は本レビューでなんとなく遊べちゃうくらいです。
需要があればトスカーナの城と同様にルール解説記事を投稿します。

2人で程良いボリュームのタイル配置ゲームをお探しの方、
カルペディエムはとっても良い作品ですよ。



購入情報

Amazon
CARPE DIEM カルペディエム ラベンスバーガー ボードゲーム タイル配置ゲーム (並行輸入品)


駿河屋



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U.Sテレグラフとは

2〜4人用 
アメリカの大陸横断電信線をテーマにしたタイル配置ゲーム。

アッティカという作品のリメイク。

ベスト人数は2人
ボリュームも程良く夫婦で楽しんでいる作品です。

本作はテンデイズゲームズさんより和訳付きが発売されており、手に入りやすいのはこちらでしょう。

今回はU.Sテレグラフの紹介していきますよ!


ゲームの流れ

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中央にメインボードを配置。
2人プレイだとこの形。ランダムに組みます。
端っこにお互いの会社を用意します。
お互いに個人シートを持ち、
同カラーの建物タイル全てを受け取ります。

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裏の色ごとに分け、よく混ぜて、
シートに記載の枚数だけ積み上げます。

2人プレイだとカード4枚ずつ配り、
ゲームスタート!

手番でできることは以下の2通り。

①建物タイルを引いて個人シートの対応箇所に配置する。(2回まで)
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引く山に順番はありません。
4つの山の好きな箇所から引けます。
2回までと書きました。
アクションを実施しなかった分、カードを引けます。
例えば、
1枚タイルを引いて、1枚カードを引く。
もしくは、
1枚もタイルを引かなければ、2枚カードを引く。
と言ったように。
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タイルを引く段階でその山の1番最後を引いた場合、直ちにメインボードタイルを追加します。
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余っているメインボードタイルは裏向きの山にしておき、ランダムにめくります。
公開したタイルを新しいメインボードとして追加しますが、1辺でも接していれば大丈夫です。
穴が空いてもOK!
メインボードタイルの追加は強制です。
各山最後の1枚をめくったら必ず実施しなくてはなりません。


②個人シートに配置してある建物をメインボードに建設する。(3回まで)
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カードには資源が描かれています。
単純に建てるにはタイルに描かれている資源を支払えばOK。
任意の資源2枚で好きな資源1つにすることが可能。
配置に関して特別なルールが3つほどあります。

・メインボードに資源が描かれていれば値引き可能。
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中央の木材が描かれている箇所に建てたいとします。
建てる箇所とそれに隣接している箇所に描かれている資源分、値引きできます。
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本来40の建物を建てるには
鉄×1 木材×1 水×2
が必要ですが、メインボード表記の資源より
木材×1 水×1を値引きで、
鉄×1 水×1で建設可能。


・個人シートに矢印がある建物を、矢印の元と隣接させる場合は無料。
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先程40の建物を建てました。
個人シート上だと矢印で41が対応します。
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矢印の元と隣り合わせれば、
コストが無料になります。
上手くいけば連鎖的に建設も可能。
41→40は無料にならないので注意!


・すでにある建物から離れた箇所に建てる際は追加コストが必要。
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最初に建てる建物は自身の会社に隣り合わせないといけない、ということはありません。
どこにでも建てられます。
隣り合っている建物を1つの集団とみなします。
別の集団と分けて建てたい場合、
既にある集団1つにつき任意のカード1枚
を追加で支払わなくてはなりません。

40の建物から放して70の建物を置きたいところ。
70の建物は任意の資源5つで建ちます。
建てる箇所にアイコンはありませんでしたが、
周りに4つ資源が描かれているので4枚値引き。
資源1つで建てられるはずですが、
別の集団(40の建物)が1つあるので、
追加カード1枚加わり、合計2枚のカードでお支払いです。
もしこの2つの集団と離して新たに建てたい場合、
追加カードコスト2枚がかかります。

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建物を建設した際は、個人シートにマーカーを置いて示します。
ある1つのエリア全てにマーカーを置き切ると、
労働者を1つ手に入れます。
この労働者は自分の手番中に支払うことで、
現在行なっているアクションを1度追加で行えます。
支払った労働者はゲームから除外します。

3回までできる建設アクションも、
行わなかった回数分カードを引けます。
最大3枚まで引けますね。
大事な順番として
アクション→余った回数分カードを引く です。
1度カードを引いてしまったらもうその手番ではアクションに戻れません。
労働者を使う場合も、
既にカードを引いていたらカードを引くしか追加できません。


ゲーム終了条件
①自身の建物を30軒全て建て切る。
もしくは
②自分の会社と他プレイヤーいずれかの会社を自身の建物で繋げる。

①か②を先に達成したプレイヤーの勝利です。
それではやっていきましょう!



夫婦2人でプレイ

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最初は建物タイルを引くしかできません。
できる限り無料もしくは値引きで建てたいので、
ある程度引いていきましょう。

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繋げて勝つのは格好いいですが中々難しい。
とりあえずどちらも狙えるようにしたいところ。

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繋げて勝つのが難しいと言ったのは…

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このように割と簡単にブロックされてしまうから。
追加ボードを使わないともう繋げなくなってしまいした。笑

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追加コストを払って50の建物を別集団として建設。
念のため後から繋ぎやすくしておきます。
この調子で払ってるとあっという間にカードがなくなってしまいますね。

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あちらが追加ボードを配置してきました。
1箇所止めれば繋がるのは阻止できます。
様子を見ましょう。

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1エリア建て終わったので労働者獲得!
1度に複数個使って大量にアクションすることも可能。
ここぞと言うときに取っておきます。

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わたしも追加ボード配置!
…即ブロックされた。(^^;)
タイルを引くタイルを建てるは同手番で行えないルールがジレンマですね。

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お互いにかなり軒数建ててます。
建て切り勝利もあり得るので、
無料建設条件なども考慮して配置します!

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突然偏るカードの引き( ´ー`)

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メインボードがどんどん拡大していくのが面白いですね。
それぞれのプレイヤーがどのよつに展開していくのか見ものです。

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わたしはこの辺りから建て切り勝利にシフトしました。
現在の建ててる軒数はわたしが勝っています。
労働者を使って大量アクションで一気に突き放したいところ。

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メインボードが展開してきたのでわたしの個人ボードがどかされました。笑
妻は繋げる勝利を狙っている様子。
労働者もかなり抱えているのでこれは危険。

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足掛かりを作られました!
あと1軒建てれば繋がりを阻止できるのに、
アクション数が足りない!(^^;)

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ぐわー!
労働者で一気に建ててきました。
会社同士が繋がりました。
わたしの負けです。
建物数ではリードしていたのに!悔しい!

所要時間30分ほど



感想

ジレンマの効いた良い意味で悩ましい作品です。
タイルを引くタイルを建てるか
基本的にはどちらかしか行えないので、
今選択すべきはどちらなのか?とプレイヤーは終始悩まされます。
タイルを引くことばかりに集中していると相手にいつの間にか迫られていたり、逆に建ててばっかりいると資源と建設予定の建物が不足したりといった状況を生むので上手くバランスを取る必要があります。

勝利条件が1つでないことがこの選択により深みを与えていますね。
どちらの条件で勝利を目指すのか展開を見て判断しながら、作戦を立てていく過程がとても面白いです。
メインボードが追加されていくことで思わぬところで活路を見出すことができると気持ち良いですね!
まぁ、今回はやられたんですけど( ´ー`)

現時点、日本語版の発売はなくテンデイズゲームズさんより和訳付きが販売しているようです。
本記事の「ゲームの流れ」欄で2人プレイにおけるルールはほとんど記載してしまったので、これを見ればなんとなく遊べちゃうレベルです。

とても面白い作品なので、ぜひ多くの方にプレイして欲しいですね!^ ^



購入情報

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Super Meeple U.S. テレグラフ ボードゲーム

駿河屋