パンデミック ローマの落日 [ソロ(1人)プレイボードゲームレビュー:評価8/10]

パンデミック ローマの落日とは

1〜5人用

協力系ボードゲームの名作であるパンデミックのスピンオフバージョン。


本家では感染症を食い止めることがテーマでしたが、こちらは帝国に襲いかかる侵略者達を撃退する、ローマバージョンとなっています。

ゲームの流れ

セットアップ


ローマ帝国を中心としたヨーロッパマップですね。

ソロでは3人の役割をランダムに選択します。

手番でできること

協力型ゲームなので、敗北条件を満たす前に勝利することが目標となります。

手番では行えるのは以下の7アクションから好きな組み合わせで4つです。

行軍


線で繋がっている都市へ1歩移動します。

小さくて赤いコマは軍団コマ。行軍の際は3つまで連れて移動できます。

帆走


都市カード1枚を捨てて、碇マークから碇マークへ移動できます。捨てるカードの色と移動先の色が一致していないといけません。

軍団コマを3つまで連れて行けます。

要塞化


自分の都市に対応したカードを捨てて、砦コマを置きます。

軍隊の創設に関わる他、後述の蛮族の襲撃の際に、砦があれば被害を軽減することができます。

軍隊の創設


砦コマがある都市にいれば、現在の軍団創設数に応じて軍団コマを増やすことができます。

戦闘


蛮族と同じ位置にいれば戦闘ができます。

連れている軍団コマと同じ数のダイスを振り、描かれているものを除去します。

ご覧の通り、敵だけでなく軍団がやられてしまうこともあります。


鳥のアイコンはキャラごとに設定された固有能力を発動します。

策略

自分と他プレイヤーが同じ都市にいれば、対応した都市カードをやり取りすることができます。

ソロでは宝物庫ルールが設定されており、ゲーム開始時に3枚公開されたカードを対象に交換できます。

同盟の締結


同盟を結びたい蛮族と同じマスにいることで発動できます。

色ごとに設定された枚数だけ都市カードを捨てれば同盟を締結できます。

蛮族の入隊


同盟を結んだ蛮族の色のカードを捨て札にすることで、自分の都市にあるその色全ての蛮族を軍団に変換できます。

プレイヤーカードを2枚引く


アクションを行ったら、山札から2枚引きます。


この時、反乱がめくれるとプレイヤーに不利な処理を山ほど行います。笑

本家でいうエピデミックカードですね。

実際にどんなことが起こるかはダイジェストの中で見てみましょう。

侵略


蛮族カードの山をめくって、侵略される箇所を決定します。


蛮族たちは同じ色の線を辿ってローマに辿り着こうと動いてきます。


対応した都市に直接コマを置けるかをチェックします。

めくれた都市あるいはその直前の都市に蛮族コマない場合、出発地から辿ってコマがない位置に配置します。


よってこの場合、ブルンディシウムではなくパトラに配置することになります。

蛮族コマを配置しようとしている都市に軍団がいれば、防衛を行います。


プレイヤーもしくは砦と共にある軍団であれば1対1で相討ちになります。


軍団しかいない場合は奇襲され、蛮族コマ1つで全滅してしまいます。

都市の略奪


同じ色の4つ目の蛮族コマが置かれる場合、その代わりに略奪が起こります。


ゲーム敗北条件の1つである衰退マーカーを進める他、砦が破壊されるなどロクなことがありません。


さらに隣接した都市に移動経路に関係なく、略奪した蛮族コマを配置します。

これにより略奪の連鎖が起こる可能性もあります。

ゲーム終了条件

勝利

5つの蛮族がそれぞれ帝国の脅威ではなくなれば勝利です。以下の2通りがあります。
  • 同盟を締結する。
  • マップ上からその蛮族コマを全滅させる。

敗北

以下の条件を1つでも満たすとゲームオーバーです。
  • 蛮族コマを必要な数置けない。
  • アクション後にプレイヤーカードを2枚引けない。
  • 衰退マーカーがマックスになる。
  • ローマが略奪される。

ソロプレイダイジェスト

難易度:簡単


まずは反乱カード5/7枚の簡単モードで挑戦してみます。


使用キャラはこんな感じ。
  • 砦や軍団を作りやすい執政官
  • 港湾都市で強い艦隊長
  • 戦闘で強い軍務長官

戦闘は軍務長官に任せましょう!

ダイスを振るので、少なからずランダム要素があります。


早々に反乱カードがめくれました。

敵の攻撃がより苛烈になります。


マップ上ではそれぞれのキャラをバラけさせて、幅広く対応できるようにしたいですね。


蛮族コマを置こうとする都市に軍団がいれば、少なからず配置を防いでくれます。


これはオリジナルのパンデミックにはない要素ですね。

軍団で上手く備えておければ、自ずと防衛できることがあります。


手札を調整しながら同盟を組んでいきます。

手札上限は7枚しかなく、蛮族によって5枚のカードを同盟に要求してくる場合もあります。


その場合は戦闘で滅ぼしてしまいましょう!

青、緑の蛮族とは同盟締結、

そして他3色の蛮族はボード上から無くすことができました!

これでなんと勝利です。

あれ?意外とすんなり。運が良かったかな?

難易度:普通でリプレイ!


ってなわけでもう1度やってみましょう。

使用キャラはランダムに変更。
  • イベントカードの入手や山札操作に長けた女祭司
  • 蛮族を味方につけることが得意な同盟部族の女戦士
が新キャラになります。

反乱カードを1枚増やした6/7枚で挑戦してみましょう。


女祭司の効果で今いる都市と同じ色のカードを捨てれば、控えのイベントカードを獲得できます。

これがかなり強力。

イベントカードは通常効果と、崩壊マーカーを進めて使える強い効果があります。

状況によって使い分けると良いでしょう。


そしてイベントカードの使用は原則としてアクション権を消費しません。

他プレイヤーの手番の時でさえも使用できます。


しかし、女祭司は戦闘が少し苦手。

他のキャラで補っていきたいですね。


まずは黒5枚を揃えて同盟です。


と思ったらすぐに最初の反乱が!

パンデミックシリーズ経験者にはわかると思いますが、これが本当につらいのです…。


イベントカードはソロプレイで通常4枚しか山札に加わらないので、女祭司で使えるのは楽しいです!


ようやく2つ目の同盟締結!


ここでついに略奪が発生!

ゲソリアクムにはもう既に同色3つのコマが置いてあります。なので、4つ目を置く代わりに周りに飛び火します。

運が悪いと連鎖するので、一気に劣勢になることも。


追い討ちをかけるように次の反乱が発生!

パンデミックシリーズのこの絶望感、嫌いじゃないです。笑


侵略で蛮族コマを置く際は、出発地点から辿って場所を決定します。

なので、スタート地点に軍団をまとめておけばそこで阻止できる可能性がある…ことに賭けた作戦です。笑


さあ、同盟が3/5完了!

白カードが少し集まってきてます。

これは白と同盟を結んで、橙を殲滅する作戦に出ましょうか。

必ずしも全ての蛮族と同盟を組む必要はありません。状況によってどのように勝利するか決めることができます。


ローマに侵略の手が迫っています。急がねば!


ようやく白5枚が揃いました!

思ったより時間がかかってしまった…!


油断していたらアテネで略奪!

崩壊マーカーを進めないといけません。


あ…最終スペースに到達しちゃった…。


惜しくも敗北です。

あとは白と同盟を組んで、橙コマを除去すればクリアだったのに!悔しいです。

所要時間1ゲーム慣れれば60分以内。

感想

一応、オリジナル作品は経験済み。

我が家では、特に妻が協力系作品を好まない傾向にあるので、ボドゲカフェで以前に、そして最近BGAでプレイしていました。

長らく愛されているファンの多い作品だと思うので、滅多なことは言えませんが、正直言うとオリジナルより個人的に好きです。笑

軍団兵を引き連れながら、ダイス運に悩まされつつ、敵を撃破していく。さらに敵の進軍傾向を予測しながら、予め兵を配備して上手く戦わせる。

私の好きなタワーディフェンス的要素も感じました。

難易度が緩くなるわけでなく、追加の敗北条件やオリジナルより枚数の多い反乱カードでちゃんとバランスが取れています。

キャラも個性豊かで、特にイベントカードを多用できる女祭司は使っていて楽しかったです。

パンデミックシリーズ作品の面白さを改めて実感しましたね。

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