世紀の大決戦!
チェス世界大会をテーマにした2人用カードゲーム!
今回紹介するのはマッチオブザセンチュリー
数寄ゲームズよりゲムマ2023秋先行発売予定の2人用作品です。
いち早く遊べる機会をいただいたので、本作の魅力について紹介していきたいと思います!
マッチオブザセンチュリーってどんなボードゲーム?
2人用 PAOLO MORI作
1972年夏にレイキャビクで行われた世界チェス選手権のファイナルマッチを舞台とした作品です。
プレイヤーはそれぞれ当時の世界チャンピオンであるボリス・スパスキーと、挑戦者であるボビー・フィッシャーとなり、世紀の大決戦の再現に挑みます。
「チェスをテーマにした非対称カードゲーム」と言うユニークな設定がどのように表現されているのか、注目ですよ!
ゲームの流れ
セットアップ
プレイヤーはそれぞれスパスキー(赤)、フィッシャー(青)いずれかを担当し、専用デックを受け取ります。
自身のデックから手札を引き、ポーン駒を受け取ってゲームスタート!
最初のターンはスパスキーが白クイーン駒を受け取って先攻となります。
カードの見方
プレイヤーが使用するカードは上下面になっており、片面は白駒、もう片面は黒駒が正しい向きで見えるようになっています。
白クイーン駒を所有しているプレイヤーは白駒のカードとして、白クイーン駒を所有していないプレイヤーは黒駒のカードとして、カードをプレイします。
白クイーン駒の所有権はゲーム中に何度か移るため、それを見越してカードを選択し、プレイしていくことになります。
エクスチェンジ
ルールブックの用語より引用すると、
最大4回からなるエクスチェンジを制したプレイヤーがそのゲームに勝利し、1点を獲得。→6点先取したプレイヤーの勝利。
・・・これを簡潔に言うと、ゲームは1セット最大4回からなるエクスチェンジと言われるラウンドを繰り返し、ラウンドの勝者が1点を獲得します。6点先取したプレイヤーのゲーム全体の勝者となります。
(引き分けなどによる例外あり)
エクスチェンジでは先攻プレイヤー(イニシアチブ)から、ボード上にカードを1枚プレイします。
後攻プレイヤーは、先攻プレイヤーが出した対面上にカードをプレイしなくてはいけません。
それぞれのプレイヤーのカードの数値を比べて、大きい方がそのエクスチェンジの勝者となります。
エクスチェンジの勝者は、カードに挟まれたローマ数字の分だけ自身側に優勢マーカーを動かすことができます。
まだ解決していないエクスチェンジのローマ数字の合計が、自身の優勢マーカーがある地点の数値を下回れば、ラウンドの勝者となり、1点を獲得します。(ルールブックではこれをゲームの勝者と表記します。)
ラウンド(ゲーム)が終了しない場合、エクスチェンジの勝者が次の先攻(イニシアチブ)となって、更にエクスチェンジを繰り返します。
エクスチェンジに負けたプレイヤーに限り、カードの効果を使用できるチャンスがあります。
場合によっては強力なアドバンテージを得られるため、わざと負けてカードの効果を使用する立ち回りも有効になっています。
カードの数値はポーン駒で強化する事ができます。
ポーン駒1つにつき数値を1上昇させ、最大2個まで使用できます。
引き分けの場合は優勢マーカーの移動、カード効果の発動両方とも発生しません。
先攻は入れ替わります。
ゲームの終了(ラウンドの終了)
先述の「優勢マーカー値>残りのエクスチェンジ数値の合計」が満たされるか、4枚ずつカードがプレイされるとラウンド(ゲーム)が終了します。
優勢マーカーが自分側のプレイヤーに1点が入ります。
引き分けの場合は両方に1点入ります。
1ゲームが終了すると、盤面のカードとポーンは全て捨てられ、優勢マーカーを初期位置にリセットします。
ここで本作の面白ポイント!
1ゲームが終了したら、白クイーン駒の所有権が移ります。
すると、先ほどのゲームで使用していた駒の色が両プレイヤーとも変更されます。(白→黒、黒→白)
手札はゲームの合間に交換することができるため、上下面をよく見ながら戦略を組み立てていくことになります。
手札上限枚数は各プレイヤーとも気力トラックで管理されます。
気力トラックはカードの効果や特定のエクスチェンジで勝利することで増減します。
山札切れによる手札引き直しでが強制的に減少するので注意!
気力トラックが低いと手札が減る他、各ゲームで相手に優勢の状態でスタートしてしまいます。
マッチの終了(ゲーム全体の終了)
自身のキングが中央位置に先に移動した、つまり6点先取したプレイヤーの勝利です。
ゲームの引き分けなどにより両プレイヤー同時に6点獲得する場合もあります。
この場合、世界チャンピオンであるスパスキー(赤)の勝利となります。
実際のチェス世界選手権において、現世界チャンピオンが12点先取で充分だったのに対し、挑戦者は12.5点取らないとならないと言うルールが再現されているようです。
実際にプレイした感想
先ほどから何度か書いているように「エクスチェンジ」「ゲーム」「マッチ」と言った言い回しがルールブックを読んでいる感じだと、ちょっと理解しづらい気がします。
しかし、ルール全体の量は多くないため、ボードゲームにある程度慣れた相手に10~15分ほどのインストを仕込み、とりあえずゲーム開始!
カードの数字比べが基本となっているため、プレイしてみると流れを徐々に掴めてくる印象です。
んで、実際に何度かエクスチェンジを繰り返してみると・・・ふむふむ、なるほど!
単純な数字比べに見えて、実はかなり駆け引きの要素を多く含んだゲーム性であることに気づきます。
手札から強いカードを切るタイミングを計ったり、あえて負けてカードの効果を使用したり、さらには引き分けに持ち込んで相手の思惑をずらしたりなど、プレイヤーは戦略的思考を駆け巡らせます!
例えば、白駒0カード。
そのゲーム自体を投了し、相手に1点を与えることになりますが、次のゲームに大きなアドバンテージを得られる効果を持ちます。
一概に、数字が弱いからと言って使い道がないわけではないのが面白いですね。
1のポーンのカードは注意が必要!
数字が弱めに設定されているだけでなく、カード自体の効果もあまり強くありません。
テキストが反転している場合はその効果を使えない、と覚えておくと理解しやすいと思います。
しかし、枚数は多めに含まれているので、どこかで消化する必要があります。
ポーン駒でブーストして数値を2以上扱いにするか、あえて負けるか、手札交換のタイミングで捨てて新たなドローに賭けるか、プレイヤーの戦略が問われます。
ゲーム自体は30~40分程度で決着が付きます。
初回はルール確認を兼ねて回してみて、慣れてきた2戦目が本番になってきそう。
スパスキー、フィッシャーを入れ替えても面白いですね。
カードの効果や気力トラックの仕様が違うため、また少し違った感覚で楽しめるようになっています。
お互いにルールを理解して、戦略が組み立てられるようになると面白さが爆発します。
正直に言うと、チェスのテーマは強くありません。
しかし、先述のカードパワーと効果の応酬、高度になってくると山札の残りカードの把握や、ブラフ&ハッタリの要素が相まって、2人用対戦カードゲームとしてかなり完成度が高いと感じました。
1度目のプレイで見切らずに、ぜひ繰り返しプレイして面白さを堪能してほしいですね。
カードにはフレーバーテキストが書かれています。
当時の状況によほど詳しい方やチェス愛好家でないと、???ですが・・・
ルールブックとは別に歴史的背景の冊子が含まれています。
しっかりとボリュームのある作りになっており、世界選手権の様子だけでなく、当時の社会的・政治的背景も読み解くことができます。
読んでからプレイすることで、より一層ゲームの世界観に入り込めること間違いなしですよ。
ただ、人によっては読み物としてかなり難しいと感じるので注意です!(私は苦戦しました。笑)
と言うわけで今回はマッチオブザセンチュリーを紹介してきました。
案件だから悪いことは書けないだろうと思うじゃないですか?
いや、本当に面白かったです。一緒に遊んだボードゲーマーからもこれは良いっすね!と高評価をいただきました。笑
そんな本作マッチオブザセンチュリーはゲームマーケット2023秋にて先行発売予定です。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!