タイムリープで運命を覆せ!
超変則ワーカープレイスメントゲーム誕生!
今回紹介するのはクロノビブリオティカ
ボードゲームブランド「HQ Games」よりリリースされた新作です。
ゲームマーケット2023秋に頒布されましたが、なんと事前予約は開始からものの1分と経たずに完売!
運良く入手することができました・・・!
今回のゲームマーケットでもトップクラスに注目されていた作品と言って良いでしょう。
何と言っても、HQ Gamesには(当ブログで紹介している中だと)Khôraと言う傑作の実績がありますからね!
クロノビブリオティカってどんなボードゲーム?
1~4人用 ソロプレイ可能
精神世界の図書館にアクセスできるようになったプレイヤーは、過去と未来を行き来して、様々な運命に立ち向かう壮大な作品です。
システムはワーカープレイスメントを採用していますが、驚きのギミックにより時間旅行を再現している点に注目です!
ゲームの流れ
セットアップ
共通ボードを広げ、各プレイヤーは自身のコンポーネントを受け取ります。
テクノロジーカードはドラフトが推奨されていますね。
コストが重いカードが偏ってしまうと、序盤が苦しくなってしまいそうです。
前半はワーカープレイスメント
ゲームは全8ラウンド各ラウンドは5つのフェイズから成りますが、あえて前半後半と分けてみたいと思います。
前半はオーソドックスなワーカープレイスメント。
手番順にワーカーを1つずつ配置して、アクションを得ていきます。
資源を得るアクションの他に、カードをプレイしたり、個人ボード上でパラメータを強化したりするアクションもあります。
特にパラメータ管理は非常に重要な要素で、後半のアクション権利が増えたり、コンパニオン(ワーカー)の運命を決定づけたりします。
ユニークな点として、例えばランプ。
1ラウンド中に各プレイヤーは自身の個人ボードのランプで示された数字までしか、月マーク付きアクションスペースを使用することができません。
また、共通ボード右側のA、B、Cゾーンについても、プレイヤーそれぞれがアクション権利を開放しないと使用できません。
ランプ、ABCの開放によって、アクションの選択肢を増やすのも良いですが、それに1アクションを要するのが本当に何ともニクイ仕様なのです。本作、ワーカーがカッツカツなんですよ!笑
他にもプレイヤー自身の魅力や勇気、知識と言ったパラメータ管理があり、やり繰りがとーっても悩ましい部分になります!
後半 タイムリープ!
ワーカープレイスメントフェイズが終わったら、収入フェイズを挟み、いよいよ本作の目玉であるタイムリープのフェイズに移ります。
正式には現実/時間フェイズと称され、現実もしくは時間を任意の順でそれぞれ1度づつ行います。
現実では自身のブーツ値の数だけ、パラメータアップや、コンパニオン(ワーカー)との出会い、テクノロジーカードの効果発動などが行えます。
さあ、これからが時間旅行の始まりです!
個人ボード上部には各プレイヤーの時間軸が示されています。
2つのマーカーの内、より先に進んでいる方を基準ディスク、後ろもしくは下にあるディスクをセーブディスクと呼びます。
基準ディスクがイベントゾーンや、コンパニオンに示された数字に達すると、処理が入ります。
例えばイベント
イベントの位置に示された時に基準ディスクが到達した時に解決のチャンスがあります。
指定のリソースを支払うことでイベントを解決し、ゲーム終了時の勝利点となります。
しかし、基準ディスク到達時に必要なリソースがないと、解決することができません。
じゃあ、イベントがめくれた時の運ゲーじゃん!と思うじゃないですか?
ここでタイムリープの発動です。
時間フェイズでは、プレイヤーは以下の内1つを必ず実行しなくてはなりません。
- 基準ディスクを1マス以上進める
- 基準ディスクをセーブディスクの上に重ね、ディスクを重ねたまま1マス以上進める
つまり過去に遡って、再び該当のイベントを解決するチャンスが訪れるのです!
イベントカードは表向きになっているので、必要なリソースは判明しています。
用意しておけば、イベントに対処することができるんですね。
コンパニオンについてもほぼ同様です。
各コンパニオンはワーカーとして使用できる開始時間が設定されています。(カード左上)
基準ディスクがコンパニオンが起動する時間に到達し、必要なリソースを支払うことで、ワーカーとして雇い入れることができます。
しかし、コンパニオンの起動時にはそのコンパニオンについて、運命の時間が設定されます。(カード左下)
運命の時間に基準ディスクが到達すると、そのコンパニオンに不運な出来事が襲いかかります。
この運命が降りかかった時点で、プレイヤーのパラメータが必要値を満たしていれば、運命を回避し、ワーカーとしてこの後も仲間になってくれます。
しかし、パラメータが不十分だとコンパニオンは行動不能になってしまい、次ラウンド以降ワーカーとして機能しなくなります。
ここでまた活躍するのがタイムリープ!
時間を撒き戻して、必要なパラメータを用意し、運命の時を迎えればコンパニオンの喪失を防ぐことができます。
こちらもイベント同様、必要な情報は判明している状態になります。
イベント、運命がめくれたタイミングで必要なリソース、パラメータが用意されており、運良く解決することもできますが、基本的には、
基準ディスクを進めて、イベント、運命の内容を確認し1度挫折・・・
→時を巻き戻して、再度解決に挑む
と言った流れになるでしょう。
タイムリープがアナログゲームで見事に表現されていると感じました。
ゲームの終了
全8ラウンドでゲームは終了。解決したイベント、仲間にしたコンパニオン、パラメータ、テクノロジーなどから勝利点を得ます。
表向きにしたけど解決できなかったイベントは減点になります。
あえて、イベントカードを表向きにしない、もしくは減点になる要素を伸ばさないと言ったプレイも肝になってくるかと思います。
プレイ&感想
ソロプレイ
まずはルール確認がてらソロプレイ!
ソロ用ルールに大きな変更点はなく、資源の累積スペースが3つ以上になるとリセットされるのみです。
アクションスペースの取り合いもないため、悠々とスコアアタックに挑めるように思えますが・・・
手番はとにかく足りなくて苦しい!!(嬉)
タイムリープ要素こそ独特ですが、それ以前にワーカープレイスメントゲームとして各要素がかなり渋~く設定されています。
ランプや扉によるアクションスペースの制限や、イベント&コンパニオンの要求コストなど、これでもかとプレイヤーに悩ましいやり繰りを要求してきます。
ソロ初回はほとんど伸ばせず20点代でした・・・。
2回目でようやくコツを掴んで50点以上取れたので、まだまだ精進が必要そうです。
各種要素の勝利点はおそらく中途半端が1番伸びにくい仕様なので、どこかに特化させると良いかもしれません。
それにしてもここまで苦しめのワカプレは本当、アグリコラやナショナルエコノミー以来なんじゃないか?
爽快感溢れるアッパーな作品に慣れていると、驚愕すること間違いなしですよ。笑
その点では、ボードゲーム初心者には少し勧めにくいかもしれません。
3人戦
さあ、ソロである程度練習したので対人戦もやっていきましょう!
どうしてもタイムリープの部分のルール把握が少し慣れないため苦戦しますね。笑
ゲーム中、何度も確認しながらプレイしました。
ワーカープレイスメントなので、対人戦だとアクションスペースの取り合いが発生します。
プレイ人数によってアクションスペース数が変更にならないため、プレイ人数が増えるほどキツくなってくる仕様ですね。
スタートプレイヤーを獲得するアクションもかなり重要になってきます。
改めて感じるのが資源管理の難しさですね。
上手く噛み合えばイベント全制覇も可能かもしれませんが、技術やコンパニオンの管理など、他にも重要な要素はたくさんあります。
ほどほどにこなしつつ、どこかに特化させるることを狙いましたが・・・
結果は技術に特化したプレイヤーが、大差で圧勝でした。
手番数が不足しがちなので、技術によってワーカーを置かずに発動できる効果はかなり強いようですね。
もう一方はイベント特化、私はコンパニオン特化で挑戦しましたが、中々思うように伸ばせませんでした。
難しく、やりごたえをビシビシと感じます!
感想
と言うわけで今回はクロノビブリオティカを紹介してきました。
タイムリープの要素が上手く再現されつつも、ゲーマー好みのワカプレとして、かなり面白い作品だと思います。
ソロプレイはもちろん、一緒に遊んだメンバーにも概ね好評でした。
特に精神世界&タイムリープと言った要素に惹かれる方はぜひ遊んでみてほしい作品ですね。
評価としては8/10としたいところですが、個人シートのキューブを置く仕様がちょっと頼りない点が0.25点減点でした。笑
本作のボードゲーマーからの評価が高まると、もしかしたらKhôraのように豪華コンポーネントとなって登場するかも?なんて、淡い期待を抱いておきます!(それ出たら間違いなく買います)