Ostia 拡張 PIRATES ボードゲーム紹介記事

名作マンカラゲームに待望の拡張セット登場!

サンプルレビュー

本記事は、uchibacoyaさんより製品化前のサンプルをお借りして作成しているものになります。

実際にリリースされる商品とは使用が異なる可能性がありますので、どうかご了承ください。

今回紹介するのはOstia 拡張セット「PIRATES

国内では屈指の人気を誇るボードゲームメーカーである、uchibacoyaよりリリース予定の作品です。

今回は特別に製品化前のサンプルをお借りして、先行で遊ぶことができました!(ありがとうございます!)

2024227日のクラウドファンディング開始前に、本作の魅力を余すことなくお伝えしていきたいと思います。

なお、今回は拡張セットの紹介がメインですが、よりわかりやすくするために基本ゲームの内容についても記事前半で触れています。

拡張の内容だけ見たい!と言う方は、以下の目次からクリックしてもらうよう、お願いします。

Ostia 基本ゲーム

概要


1~4人用 ソロプレイ可能

重量級マンカラ系ボードゲーム


Ostiaは古代ローマの港・オスティアを舞台にしたゲームです。

プレイヤーは大船団のオーナーとして、商人や貴族たちに船を貸し、事業を拡大させていきます。

個人ボードには六角形の港が描かれています。

それぞれの区画に資源とアクションが書かれています。

自分の番では、1つの区画を選び、そこにある船の数に応じた資源を獲得します。

そこから各区画に時計回りに船を置いていき、最後の船を置いた区画のアクションを実行します。

いくつかある勝利条件のうち、どれか1つを満たすと、その一巡でゲームが終了します。

最終得点計算を行い、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。

1回のアクションが後々のアクションにも影響するため、先を見据えた行動が重要なゲームとなっています。

~uchibacoya HPより引用 リンクはこちら

ゲームの流れ

セットアップ


写真はソロプレイ用セットアップです。

ソロ用のコンポーネントはいくつかありますが、大まかなルールは対人戦とほとんど変更はないため、どうかご了承ください。

大型のメインボードをセットし、各コンポーネントを用意していきます。


プレイヤーはオスティア港ボードと自色のコンポーネントを受け取ります。

本作で採用されているのはマンカラシステム

各アクションを駒を分配しながら、発動していきます。

個人的にマンカラシステムを採用した作品は好きなものが多く、当ブログではクルセイダーズトラヤヌスファイブトライブズなどを紹介しています。

最終決戦! クルセイダーズ [2人プレイボードゲームレビュー:評価8.5/10]  カラトラバ騎士団vsホスピタル騎士団


ファイブトライブズ [2人プレイボードゲームレビュー:評価8/10]


トラヤヌス [2人プレイボードゲームレビュー:評価8/10]

手番の流れ

適当な方法でスタートプレイヤーを決定したら、ゲーム終了条件を満たすまで各プレイヤーは順番に手番を行います。

手番で行うのは選択→生産→アクション

選択フェイズ


まずはボードの区画を1つ選択します。

この時、船が一隻もない区画は選べないので注意。

生産フェイズ


その区画にある船の数だけ、対応の資源を入手します。


ボード上では、左上の区画を除き、5種類の資源を管理しています。

それぞれの資源は主に後述のアクションで使用します。

アクションフェイズ


選択フェイズで選んだ区画にある船を全て手に取ります。

時計回りに次に区画から1つずつ撒いていきます。

これが本作のマンカラ要素ですよ!


船駒を巻き終わった区画のアクションを実行します。

アクションには以下の種類があります。


移動:許可証を支払った数に対応した歩数だけメインボード上の船を進める


造船:木材を支払って新しい船を造る


注文:麦を支払って注文カードを達成する、即時報酬の他、セットコレクションによる勝利点を得る


建築:石材を支払って、即時効果や常在効果などを持つ建物を建てる


交易:自身の建設マーカーがある港に対応した金貨→資源の交換を行う

監督:任意のアクションを効率的に実行できる

ゲーム終了条件

いずれかのプレイヤーが、以下の条件の内1つでも達成したら、現在のラウンドをスタートプレイヤーの右隣のプレイヤーまで手番を行い、ゲーム終了です。
  • 褒賞トラックを最大まで上げた
  • 終着地に3隻の船が到達した
  • 全ての造船を行った
  • 全ての建築を行った
  • アンフォラ駒のストックが尽きた

アイコンによるセットコレクションや、手持ちのアンフォラ駒、行った造船&建築の回数、船の到達地点、港の建築マーカーなどから勝利点を計算し、競います。

プレイ&感想


拡張の新規要素を体感しやすいように同じメンバーで基本→拡張と通しでプレイしました。

基本ゲームのルール説明はおおよそ20~30分程度で、手番の流れと各アクションの説明をある程度済ませてスタートです。


各ルートやトークン、カードなど、プレイヤー間で早取りになる要素に注目しながら、マンカラでいかに上手く自分のアクションを組み立てていくかが肝になってきます。

ルール量は中量級寄りの重量級程度で、実際にプレイしてみると流れが掴みやすいですね。


生産→アクションと個人ボード上でマンカラを行っていくのは、効率的な動きを求められます!

運要素はないため、いかに先を見据えて駒の割り振りを考えていくかが、本作の楽しみになってきますね。

ダウンタイムが発生しやすいように思えますが、相手の手番中もずっとマンカラとにらめっこしていいたので私はあまり気になりませんでした。笑


全体指標カード終着点と言った勝利点要素がプレイヤー間の競争を自然と白熱させています

これはソロプレイでは体感しにくい点なので、ある意味新たな発見でした。

マンカラアクションを考えつつも、お願いだから(勝利点になる)カードやタイル取らないでー!と緊張感のあるプレイを楽しめます。


終わってみたらゲーム時間は大体1時間と少しくらい。

もっとかかっている気がしましたが、ゲーム終了条件が複数あるのと、後半は一気に展開していくため、あっという間でした。

体感としては、やはり基本ゲームだけでも十分面白いです!

重量級作品にしては軽いプレイ感なので、取り回しが良いのが個人的にかなり推し!

uchibacoyaさんの豪華なコンポーネントのクオリティも相まって、満足度の高い体験でした。

当ブログ的にあえて評価をつけるとするならば、8/10でしょう!

果たして拡張を加えてどのように変化があるのか・・・楽しみです!

拡張PIRATES

と言うわけで前置きが長くなりましたが、ここからがいよいよ本題です!

拡張要素について、1つずつ注目していきたいと思います。

概要


拡張ではプレイヤー達は安全な地中海から飛び出て、海賊たちが待ち受ける新たな海域へ!

交易路を開拓できればさらなる収入が得られるかもしれません。

もちろん海外だけでなく、国内の情勢にも目を光らせましょう。

民心をを掴み、組合を活用すればいまだかつてない発展を手に入れることができるかも!?

~Ostia PIRATES α版ルールブックより要約~

新リソース「武器」


新しく導入された「武器」交易アクションで購入することができます。

費用はボードに記載の通り。

使い道は後程!

海賊&宝箱


今回の拡張セットのタイトルにもなっている目玉要素です!

セットアップ時に、航路後半の指定位置に海賊駒を配置します。

海賊駒には黒&赤の2種類が存在し、赤の方が終点に近い位置に陣取ります。


移動する際に、海賊駒がいる港に入る際は撃退しないといけません!

撃退に使うは・・・そう!先ほどの武器です!


撃退に必要な武器の数は、宝箱が配置されたボードに描かれています。

赤い海賊の方が撃退コストが高めに設定されていますね。

海賊を撃退したら、報酬として宝箱を入手することができます。

宝箱はもちろん!ゲーム終了時の追加勝利点になります!


赤い海賊を撃退すれば、より多くの宝箱が貰えるようになっています。

撃退された海賊は・・・なんと、ボード上にそのまま残ります。

撃退されてもすぐに復活して、また移動してくる他プレイヤーの前に立ちはだかるのです!

イベント


宝箱は左から順に獲得されていきます。(プレイ人数により使用する宝箱の数は変更されます)

一定の個数がなくなるとイベントが発生する仕組みです。

イベント発生時に参照した条件を最も多く満たしているプレイヤーは汚名を返上し、逆に最も少ないプレイヤーは汚名を被ります。(汚名については後述)

プレイヤー間でゲーム中に各種マジョリティを競う要素が追加されたのですね!

兵士


フリーアクションとして必要資源を支払えば、兵士を雇うことができます。

兵士を雇った数だけ、海賊を撃退するコストを減らすだけでなく、ゲーム終了時に手持ちの宝箱から得られる勝利点が増えていきます!

決して安いコストではないですが、中~長期的な目で見るとリターンもかなりあるので、何度か雇用していきたいですね。

固有能力&汚名


ゲームタイトルにはありませんが、これもかなり大きな目玉要素だと思っています!

ゲーム開始時に出身地カード支援者カードをそれぞれ2枚ずつ受け取って、1枚ずつ選びます。

これはゲーム中に各プレイヤーに付与される、いわば固有能力です!

パターンも豊富に用意されているので、更に豊かなゲームパターンを楽しめるようになりました。

しかし、便利な効果にはデメリットがつきもの。

2枚のカードの描かれた合計数だけ、汚名駒を受け取らなくてはなりません。

この汚名駒はフリーアクションで7金支払えば、1つ除去することができます。

ゲーム終了時に残った汚名駒1つにつき7勝利点を失うので、注意!

ローマ市街地


市街地ボードにプレイ人数によって、何枚かのタイルが置かれています。

建築アクションを行った際に、ボードに記載された追加コストを支払うことで、個人ボードに置く代わりに市街地ボードに建物を配置することができます。


配置された箇所の効果を得ます。

ゲーム終了時勝利点や、即時効果など、建築による選択肢が増えますね!

追加ゲーム終了条件

基本ゲームの終了条件に加えて、ボード上から宝箱がなくなってもゲーム終了トリガーとなりました。

プレイ&感想


先ほどの基本ゲームプレイに引き続きです。

拡張分のルールを説明するのに15~20分程度ですね。

ボード類が増えるので、基本ゲームよりも広いスペースが必要になる点は注意です。


海賊ももちろんですが、やはり個人的に好きなのが固有能力となるカードです。

戦略の組み立て方に、より奥深さが生まれるのはもちろん、プレイヤー間の非対称性も楽しめるようになります。

こう言うのって何故か相手の効果がやたら強そうに見えることありません?笑

ええー!いいなー!でも自分の能力も見てよ!と、盛り上がるのにも一役買っている良要素だと思います。


出身地カード、支援者カードは豊富に用意されているので、自分の好きな組み合わせを探していくのも面白いですね!


基本ゲームだけではすんなり移動できていたのが、海賊の登場で一気に資源管理に割く思考が増えます!

海賊を撃退するために必要な武器はお金で購入します。

基本ゲームのお金は交易に使うほか、フリーアクションで任意の資源に交換できました。

資源交換がかなり便利なので、わざわざ交易しなくても必要なだけ資源を工面できる場面もあったんですが・・・


武器の購入はフリーではなく、交易アクションをきちんと行わないといけません!

少ない量だと安価ですが、一度にたくさん購入しようとすると結構な金額を要求されます。

マンカラシステムを採用している本作において、これ、地味~に(良い意味で)嫌らしい仕様なんですよ・・・!笑

同じアクションを連発するとどうしても、アクションの出力が下がるので、なんとか武器を工面するためにお金の管理もしっかり考えないといけません。

さりげなくも、しーっかりとゲームを深いものにしている仕組みだと思います。


フリーで行える兵士の雇用はかなり有効な選択肢です。

武器を含め、そこそこの資源を必要としますが、2人雇えば黒の海賊、そして4人雇えば赤の海賊までも素通りできるようになるため、移動の幅がぐっと広がります。

それだけでなく宝箱による勝利点要素も絡んでいるとなると、やはり積極的に行いたいアクションですね!

特にゲームの後半はそれぞれのプレイヤーが兵士による軍団を率いて、ばっさばっさと海賊を撃退していく展開でした。

後半程気持ちよくプレイできるようになるデザインは個人的には好印象です。


海賊撃退の報酬である宝箱についても触れていきましょう

見た目の通り、ゲーム終了時の勝利点要素になるのはもちろんですが、ここで注目したいのは一定数宝箱がなくなるごとに発生するイベントです。

特定のジャンルにおいて、プレイヤー間でいわゆる最大と最小を判定し、汚名返上もしくは汚名を被ることによるマジョリティ争いをするわけですが・・・かなり熱い要素になっています!

と言うのも、各プレイヤーの盤面情報はすべて公開されているため、各マジョリティ争いによる優勢が明らかなんですよね。

イベントを指標にしつつ、自分は何とか損を免れたいために、競争が激化すること間違いなしです!

ゲーム終了時に汚名1つにつき7減点になるので、返上できるのと受け取るのとでは大きな差になります。

正直、好き嫌いが分かれる要素になる気はしますが、より競争性のあるゲームを楽しみたい方にはぜひおすすめですよ。


市街地ボードについても、有効な選択肢として機能しています。

ゲーム展開によっては建築による強化要素が、不要になる場合があります。

基本ゲームでは、ただ勝利点を稼ぐためだけに実行する場面もあったので、ある種腐りやすいアクションでしたが、市街地の選択肢が広がったことでそう言った場面も減ったように感じます。

追加資源を支払っているだけあり、市街地のボーナスはかなり美味しい設定になっています。

ここも早取りになっているのがなんともニクイですね!


ゲーム全体の時間は大きく変わらず1時間と少し程度でしたね。

要素こそ増えますが、ゲームの進行が遅れるわけではありませんしね。

基本→拡張と流れで遊んでみて感じたことですが・・・拡張は基本ゲームに十分慣れた人向けですね!

拡張によって増えた要素はどれも魅力的で、ゲームの展開を更に豊かにするものに違いありません。

ボードゲーマー好みとなる固有能力や新たなマジョリティ争いの要素は、基本ゲームの仕様を理解してから導入する方がずっと楽しめる出来だと思います

いきなり拡張を導入するのももちろん良いですが、せっかく楽しむなら基本ゲームを1プレイでもして、プレイ感を掴んでからの方が良さそうです。


一度、拡張のプレイ感を気に入れば、導入した方が面白い拡張になると言えるでしょう。

基本ゲームだけでは少し物足りなかったリプレイ性が大幅に改善されます。

基本&拡張のルール込みで、いわゆる普通の重量級作品くらいのボリュームになる印象ですね。


先述の通り、Ostiaはプレイ時間、ルール量共に膨大なものでなく、いわゆる重量級ゲームの入門として最適の作品の1つだと思います。

豪華なコンポーネントも相まって、気に入る方はかなり多い作品ではないでしょうか。

先行プレイさせていただきましたが、私はもちろんクラウドファンディングで支援予定です!

uchibacoyaさんのクラファンって、基本製品はもちろんストレッチゴールのおまけがとんでもなく豪華になることが多くて、惹かれるものが多いのですよ・・・・!

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